思いやりの気持ちを持って接する

看護師は仕事に慣れてくると、流れ作業のように動けるようになってくる。バイタル測定や食事の補助など、日々の業務はそれほど変化に富んだものではない。ただ、その中で測定値や患者の様子などを細かくチェックし、異変を逃さないようにする必要がある。病院にはさまざまな患者が入院しているので、正確さだけでなくスピードも求められるが、その際には決して雑に接してはならない。適当にあしらわれるような接し方をされた患者は、医療従事者に不信感やさらなる不安を抱え、治療に支障をきたしかねないのだ。また、病は気からという言葉もあるように、精神面の乱れが身体面に悪影響を及ぼす可能性も否定できない。

だが、それを防ぐうえで特別難しいテクニックは必要なく、とにかく丁寧にコミュニケーションをとれば患者は安心できる。しっかりと目を見て笑顔で話したり、耳が遠い患者に対しては耳元で話したりすることが大切だ。看護師に雑談を持ちかけてくる患者もいるが、それにも嫌な顔をせず対応することも欠かせない。不安な気持ちを会話によって解消できることもあるので、ただの雑談も軽視できないのだ。仕事はそれだけではないため長時間の雑談は難しいだろうが、上手に対応したいものである。

大病を患ったり、人生で初めての入院生活を送ったりしている患者には、特に思いやりが重要だ。他の患者や医療機器に囲まれた生活は非日常的で、不安が大きい。簡単な検査であってもストレスを強く感じてしまうので、事前にどのような検査なのかをしっかりと伝えることも重要だ。